beijing architecture

●やっぱり北京はヒロカッタ！！---北京は広いか狭いか？

留学中、同学韓国人たちや知り合う中国人がしきりに「北京は広い」と言っていました。しかし、自動車に乗って30分もすれば、農村地帯になる北京は、ぜんぜん広い感じは無く、東京と比べれば、山手線の北端と南端が北京の北三環路と東三環路に合うくらいです。市街地の範囲を比較しても、北京は四環路、、、まぁ五環路以内とすれば、東京は明らかにそれ以上の大きさです。また、居住人口で比べても、北京市（郊外農村人口含）は1300万人、東京都市圏（郊外地方都市含）は2900万人。
当時全然北京は広くないよ～なんて思っていましたが、、、先週末杭州に行き、北京のヒロサを実感しました。

杭州空港から市内へ向かうリムジンバスは、金持ち農村地帯を通ります。碁盤の目のような路に沿い、５，６階建ての背の高い同じようなデザインの宮殿がいっぱい肩を寄せ合って並び、そのマス目部分が農地となっていました。面白い構成とその不思議なデザインの建物に目が釘付けになってしまいました。

その後、市街地に入り、周囲の街並みを見渡す。金持ち農村地帯と同様に、各々の建築物が、皆、背が高い！そう、杭州の建築物は、一つ一つの建築の敷地が狭く、5,6階の建築物でも必然的に背が高く感じられ、さらに道路幅も狭いため、よりいっそう背の高さを感じさせます。
いや、冷静に考えると、日本の街もこの杭州のように、狭い敷地に高い建物が建っているわけで、もともと馴染みのある空間ボリュームであるはず。

ということは、TKMの感覚が北京の街によって狂ってきた？

北京は道路幅が広く、また各建築物のヴォリュームも大きい。杭州と同じような高さの建物でも、その敷地が広いから、どっしりとした感じを受けます。
北京は、杭州や日本と比べ、建築も道路もZ軸方向（高さ）は変わらなくても、XY軸方向（面積）に極端に拡がっているようなのです。そう考えると、今まで中国の地方都市をいくつも行きましたが、これだけ道が広く敷地が広い都市は他に見当たらないような気がします。

「北京は広い」という感想は、けっして市街地の規模が広いわけではなく、普段の生活で感じる空間ボリュームがヒロイわけなのでしょう。
そう考えると、日常の空間ボリュームが与える心理的影響によって、ずいぶんとそこに住む人間の質に影響を与えるような気がしてなりません。建築デザイン分野においても、北京出身で北京で設計活動をしている人と、例えば他の地方都市出身でそこで設計活動をしている人でもずいぶんそのデザインは異なりそうです。